子育て Q & A
 Q  1歳児(男児)のお母様からのご相談
 とにかく乱暴で、何を持ってもわざと投げます叱るとおもしろがって何度でも投げ、私の顔を見て「にっ」と笑ったりします。やさしく話してもダメなので、完全にお手上げ状態です。どうのようにしたら治るのでしょうか。
 A 親から叱られているという感覚より、遊んでくれていると、勘違いしているのかもしれません。

 抱っこされた赤ちゃんが手に持っていたモノを落とし母親が拾って赤ちゃんに渡す光景をよく目にします。

 しばらく手に持って遊びますが、何かの拍子にまた落としてしまいます。これを何度か繰り返すうちに赤ちゃんは「落とすと母親が拾う」という事を学習し、わざと落としてみようと考えます。そして、やってみた結果思ったとおりだと確信すると、わざと落とすようになります。

 この時母親は『どうしてちゃんと持てないのかしら?』などと思いながら、赤ちゃんに遊ばれているとも知らないで何度でも赤ちゃんにおもちゃを拾って渡します。

 これと同様のことが行なわれていることにまず気がつく事が大切です。

 この解決方法としては赤ちゃんにモノを渡さないようにすれば良いわけです。手にとれなければ投げる事もできなくなるわけです。とは言っても積み木や絵本を与えないわけにはいきません。

今回は具体的にどうすれば治るか、解決方法をお教えします。次の方法でやってみてください。

 1、モノを投げたらすぐに子供の手をとって次のように言いましょう。(例、積み木)

 「あーあ、このお手手がいけないのね。積み木さんあんなところにポイッとされてかわいそう。きっといたいいたいって泣いているわねえ。○○ちゃんもポイッとされたらどうかしら?きっといたいいたいになっちゃうわよね。積み木さんにごめんねしようか。」「今度からポイッとしないでねって、このお手手にようくお話しておこうね」「(投げた手に向かって)ポイッしたらだめでしょ。もうしないでね。」

 2、それでも投げると思いますので、次にこのように言ってください。

 「○○ちゃんはポイッしちゃダメッて解っているのにこのお手手は解らないの。困ったわねえ。」「もう一度お手手にダメよってお話しましょうか。ダメってお話してね。(自分でダメと言わせる)」

 3、2を何度か行なっても母親の反応を楽しんでいるようでしたら、一度でも投げたモノは決して投げさせてはいけません。具体的には幼児が手にとったとたんに取り上げてしまいます。当然びっくりして泣いたりしますがあげてはいけません。その時は以下のように言ってください。

 「積木さん、もう○○ちゃんと遊びたくないって言っているわよ。ポイッされたらイヤって言っているの。だからもう遊べないわね。残念ねえ。」と言います。

 その時、その積み木だけ片付けて他の積み木はそのまま出しておきます。当然、他の積み木で同じことを行ないますが、根気良く上記を繰り返してください。

 この時大切なのは「○○ちゃん、ダメでしょ」と言わないことです。このような言い方だと全人格を否定されてしまい、幼児なりに素直な気持ちにはなれなくなってしまいます。「このお手手がいけないのね」という言い方をすることで、相手の言うことを聞く気になります。また、とっさになげたくなった時に意識が手にいき、投げる事を止まらせてくれるのです。

 泣いても騒いでも積み木が手に入らない事を知れば、こちらの言う事を聞いてみようという気になってくれます。少しの時間でも投げないで遊べたら多いにほめてあげましょう。そして、投げるより本来の遊び方をした方が楽しいと思えるように、一緒に遊んで遊び方を教えてあげてください。そのうち、投げそうになると自分から自分の手に向かって「ダメよ」と言うようにきっとなります。そうなる事を信じてやってみてください。 

所見  このケースの場合、お母様がどのような性格であっても子供がどんな気質で生まれても、起こり得る問題です。話しても解らせる年齢もあれば、0才1歳児のように根気強く示す事で学習させる月齢もあります。楽しい子育てを行なう第一歩はお互いのコミュニケーションがとれる事です。モノを投げることは八つ当たりにもつながりますし、モノによっては誰かに怪我をさせてしまうかもしれません。してほしくないと思いいつつ幼いからと逃げないことが大切です。