子育て Q & A
 Q 2歳児(女児)のお母様からのご相談
少し気の早い話なのですが、来年の4月から3年保育で幼稚園に入れようと考えています。自分の勤めていた幼稚園が車で7分くらいの所にあるので、様子も解っているし、クラスの数・人数などもちょうど良いと思い、そこに入れたいと思っていました。

でも、公園でよく遊ぶ子たちは皆同じ幼稚園に行くそうです。私の行かせたい園に行く子はこの辺ではほとんどいません。皆の行く園は、年長組になる時に、同じ学校に行く子供たちによってクラス編成がなされるそうです。また宗教もあるので、私自身は少々抵抗があります。

皆と違う園に行くと、園から帰っても今まで遊んでいた友達と話が合わなかったり遊びが違ってしまうことがあるのではないか…学校に行っても友達が出来にくいのではないか…などいろいろ考えてしまいます。

近所の人から「一人だけ違う園に行って2年生になる頃まで友達が出来なくて困っていたお母さんの話」などを聞いたりすると、どうしたものかと悩んでしまいます。その子の性格もあるのでしょうが、悪い方に出てしまった時の事を考えてしまうこの頃です。

 

 A 幼児の社会はとても閉鎖的です。あっというまに仲良しになるのも幼児なら、あっという間に仲間はずれを作りいじわるをするのも幼児です。たとえ同じ幼稚園に入っても、クラスが違っただけで「○○ちゃんは△△ぐみさんだもん」と、遊ばなくなった例もあります。

今は園バスを使用している園も多く、一つの幼稚園でも通園範囲が広いので遊ぶお約束をしてきても親が送り迎えをしなければならないケースがほとんどです。私学に進まれた場合、降園後近所のお友達がいない為家で遊ぶ例が多いと言われますが、近所の幼稚園に入れた場合でも同じようなことが見られるのが現状です。

問題は、せっかく近所に遊ぶことができるお友達がいるのに園が違ってしまう事でなにか不都合が起きるのではという点と、小学校に入った時に仲良しの中に一人だけ入っていけるのかという点だと思います。

もともと小学校には学区があり、いくつかの幼稚園に入っていた幼児が入学してきます。つまり、同じ幼稚園出身者が多くても全員とお友達ということではありません。もちろん最初のうちは同じ幼稚園出身者通しがかたまることは考えられます。でもすぐにそんな枠ははずれて、新たな友達関係が生まれます。そんなにご心配なさることはありません。

それより、幼児にとって初めての幼稚園は、文字通り生活の場なのです。その生活の場が本人にとって合わないものであれば、その三年間は母子にとって辛いものとなってしまいます。逆に、生き生きとした園生活を送ることができれば得るものは大きい、と言えます。色々な意味で幼児に与える影響が大きいのが幼稚園なのです。

なにか問題が起きたとしても、園の中で起きていることは園の先生方にお任せするしかありません。入園する前に基本的な生活習慣はきちんと身につけておくこと、誰とでも仲良く遊べるようにしておくことの方が重要なのです。

三つ子の魂百までと言われます。大切な三歳児という時期も含めて安心してお任せできる園を選ばれたほうが良いかと思います。

 

所見 このお母様は、ご自身幼稚園の教師の経験があり、幼稚園の中を良くご存知です。だからこそ、入れたい園がはっきりしています。しかし、我が子のこととなると心配の方が先立ち、優先順位がはっきりせず迷っておられます。

幼児教育に限らず何かを決定する場合、大事なことが一つと云う事はほとんどありません。常にいくつか重要だと思われるものがあり、その中から決定しなければならないのです。

これが重要だと選んだことでもっと大切なものが抜けてしまう、その為幼児が間違った方向に行ってしまうことがよくあります。そうならないためには、親として常に的確に一番重要なものを見ぬく目を持つことが必要なのです。

なぜなら、その子の○○歳の○ヶ月目は二度とやってこないのですから。そして、幼い時にどれだけの下地を身につけたかで、その後が花開くか否かがある程度決定されてしまう、といっても過言ではありません。

「鉄は熱いうちに打て」という諺もあります。一度身につけたものを変えるのは難しいと言えます。どうぞ幼いうちこそ、親の何気ない判断の幼児に与える影響の大きいことを、自覚なさってくださいませ。

 

     


 Q     1歳児(女児)のお母様からのご相談
先日おやつにケーキを出した時のことです。本人は一生懸命にフォークでさして食べようとしているのですが、なかなか口に運ぶことが出来ずいらいらしている様子でしたが、しばらくは何も言わず見ていました。そのうち見かねて「お母さんだったらこうやって上手に食べるわよ」と言い、娘の手をとった瞬間娘が大声で泣き、ケーキをつかみ投げつけたのです。こちらも逆上してしまい、叱ると言うよりは大声で怒ってしまいよけいに娘は泣き喚き後になってもっと娘に対して諭し方があったのでは?と思い、未熟な自分に落ち込んでしまいました。

最近では娘と1から10まで一緒に何かをするのではなく、娘が困っている時に手をさしのべるように努力はしてきたのですが、本人が困って泣いている時でも、私に何かを教えてもらったりされるのがとてもいやな様子で、私に対して何をするにもすぐ物を投げたり叩いたりして怒り出します。普段なにげに私が歌を歌っただけでも怒り出す始末です。いろいろな可能性に満ちた未来を作ってあげたいという一心で今まで一生懸命に接してきたのに、何か否定されたような気持ちになって最近では娘と前向きに接する事が出来ません。外ではいわゆるイイ子なのですが、家の中では毎日がこんな状態です。私が娘に対し手をかけてもかけなくても泣き喚く娘に対してどのように接していいのか勝手ながらアドバイスを頂ければ幸いです

 

 A 1歳児も終わりごろになると自我が出てきます。これは大きな成長の証で、今までの母親の努力が報われた結果です。がっかりなさることはありません。

が、成長した分、今までのようなわけには行かなくなったことは、お子さんの態度ではっきりしましたね。ここまで嫌われてしまったら、しばらくは何か学習させようとは思わず、自分や他人に危険が及ぶようなことをした時だけ叱るようにしましょう。あとは、失敗して泣こうが知らんぷり。手出ししても本人は怒るのですからお母様が疲れるだけです。本人がなにか「やって」と意思表示するまでは手出しするのは止めましょう。

たぶん、やってあげればあげたで『自分でやりたかった!』と泣くのが落ちだと思います。それだけ今は自分でやりたいという気持ちが強いということをお母さまは汲んであげてください。

そしてお母様ご自身も、あまり子育ての責任を一人で負わないことす。幼児教育において母親の果たす役割は大きい、だからこそ私も「母と子の」オムニパークをしているのです。でも、子供は母親以外の影響も大きく受けて育ちます。純粋培養で母親の手元に一生置いておくのは不可能です。良い環境をと望んでも選択した環境その他も絶対とは言えません。

また、同じ言動を母親が行なっても、気質が違えば全く違った反応が返ってきます。もし他のお子さんだったら反旗を翻すこともなく、今でもお母様はご自分の思った通りの子育てで満足なさっていたでしょう。でも、そのお子さんは将来アダルトチルドレンとなり、本人もご家族も皆で悩むことになったことでしょう。早くサインに気づいて良かったと私は思います。

たとえ勘当しても親と子はどちらかが欠けるまで親子です。お母様も初めての子育てを始めて1年数ヶ月。まだまだ母としてはアマチュアです。「子供とは」を一から学んでいけば良いことです。あせらず一歩一歩プロの母親になるための学習を行ない自分のものにして下さい。

今からでも充分間に合います。頑張ってください。

 

所見  このお母様は性格的にまじめで、意思の強い方ですね。そんな方こそ、思い通りに行かないと自分を責め、あげくは我が子に愛情が持てなくなる傾向があります。せっかくさずかったお子さんです。その子の将来を考えることも大切ですが、それより家族の一員としてお互いに信頼できる存在になることのほうが、もっと重要なことです。この優先順位を間違えないようにしましょう。