子育て Q & A
 Q  3歳児(男児)のお母様からのご相談
 
今年4月から幼稚園に通う予定となっています。
 
太鼓の音符がはねている映像をDVDで見てから、太鼓のようにと物を投げて遊んでいます。
まれに弟にあたってしまうこともあり、幼稚園での生活に不安があります。
 
併せて、幼児教室の体験などに伺ったときにも、ほかのお子様と比べて落ち着きがないように見受けられ、すぐにほかの興味があるものへ歩いて行きたくなってしまったりします。
 
弟が生まれて、赤ちゃん返りかもしれませんが、自分のことをあまりやろうとしない所もあります。
 
幼児教室に伺って、ほかのお子様にご迷惑をおかけしてしまうこともある可能性もあり、お教室にはいつも不安を持ちつつ通っている状況です(現在は、英語のお教室)。
 
少しでも落ち着きのある子になってくれたらとも思います。

  太鼓のはねる様子を見て『楽しそうだ』と感じたのでしょうね。そして、音符のはねる様子を真似てモノをなげたいと思ったのですね。そのこと自体は問題ではありません。でも、お母様のおっしゃるとおり、誰かにあたってしまうのはやめさせたいですね。

自分および他人に危害が加わることは、しっかり叱ったほうがよいといえます。これは怒鳴るのではなく、そのことの意味を伝えるという意味です。

でも、お母様が注意してもきいてくれないのだと思います。あやまろうとしないところからもそう感じます。これまでの親子関係から、『ママのいうことは聴かなくて良い』と思っているのかもしれません。

そうだとしたら、言葉かけから変えてみてはいかがでしょうか。

「あぶないでしょ。やめなさい」とか、「なげないの!」といった言い方をしてはいませんか。こんな言葉かけをしてみてください。

「あれ、〇〇は音符なのかな?音符は楽しそうにはねていたけど、〇〇は音符じゃないからぴょーんて飛んでいって動かないでしょ。

あーあ、〇〇がAちゃん(弟)にぶつかって…。わあ痛そう!ほら、こんなに泣いているわよ。Aちゃんかわいそう(そういいながらAちゃんを大事そうに抱きしめてください)。(叱っている子どもの目をしっかり見て)わざとじゃないけど、Aちゃんにぶつかっちゃったから、ごめんねできるかな。」

もし、悪いと思っていないようでしたら、「〇〇はぶつかっても痛くないの?それなら、Bちゃん(本人)にぶつかっても痛くないのかな?」と言って、ぶつける真似をしてみてください。きっと、「イヤだ!」と言うと思います。

そうしたら、「自分がされたらイヤなことはやめようね。」と続けて話してください。その時、言葉でごめんなさいといわなくても、表情で反省していることがわかったら、それでいいのです。心のなかで『本当はごめんねって言いたいんだけど…。でも言いたくない!やっぱり言おうかな。』など、いろいろな思いを抱えさせることが大切なのですから。

子どもは子どもなりに言い分があります。Aちゃんに対し、『僕が楽しんでいるのにそんなところにいるからいけないんだ』と思っているかもしれません。

もし、頭ごなしにおっしゃった場合は、いけないと思っていても素直になることができません。御紹介したような言い方をすることによって、子どもなりに考える時間をもちます。

そんな体験を繰り返すことで、今は何をしてよくて、何をしてはいけない時かといったことも分かるようになっていきます。

所見 男のお子さんは女の子にくらべ、自分の思いをきちんと伝えるのが上手ではありません。また、これまで自我を出すことがあまりなく、自己コントロールをする機会がなかったのかもしれません。逆に自我を出しすぎて、お母様も行為をとめることだけに終始して、お子さんの後を追っているだけに終わっていたのかもしれません。

お母様が言葉をきちんと引き出す手助けをしてあげてください。まずは、表情を良く見て、お子さんの思いを想像してみてください。そして、子どもの思いを言葉に出してあげることも良い方法です。やってみてくださいね。

子どもにとってお母様は一番身近な教師です。して良いこと悪いことをきちんと伝えてあげましょう。そのための言葉かけはどんなものがよいか、言い方を工夫してください。たとえ自分の思い通りにならなくても、叱ってくれる大人が自分のことを大切に思っていることは伝わります。

 幼くても考える時間を与えることで落ち着いた子どもに育っていきます。頑張ってくださいませ。