子育て Q & A
 3歳児(男児)のお母様からのご相談    黒字:ご質問 赤字青字答え
 3歳児同士、室内でお友達と物の取り合いになる事がしょっちゅうあります。自宅に同級生のお友達を呼び、始めの内は二人それぞれタンスの上からジャンプをしたり、体を動かして遊んでいました。

 ブロックでも仲良く遊び、しばらくたった頃息子はお友達をトイレに呼びました。扉を締めてしばらくした後お友達が泣き叫んだので、私は慌てて鍵を開けました。お友達は「オチンチン出してって言われたけど、嫌だって言ったら手をつねられた」と言って泣きじゃくっていました。

 息子に聞いても何も言わないので、私は相手が嫌がることを無理強いするのはいけない、と注意しても、ふてた顔をして無言なのでお尻を叩いて叱りました。息子は泣き、ごめんなさいもうしませんと言って謝りました。

しばらくした後、帰るという事になり皆でブロックを片付けていたら、お友達が、自分の作ったブロックの形でまだ遊びたいとお母さんに言っていました。

(母:子:友達の母の言葉)、(理想的な言葉かけ) 

母:いいですよ。 ←(友達に)まだ帰らないで遊びたいの?(我が子に聞く)もうちょっと遊んでから帰るって、よかったわね。使わないブロックを片付けていてもいいかな。

(残りの散らかったブロックを片付けていたら)

子:(遊び始めたお友達のブロックを息子が取り上げ、強い口調で)ダメっ。これは壊すからね。

(分解し始めたので手を押さえた)

 (お友達は泣き出す)

←(子に)ちょっと待って。どうして壊すの?ねえ、お口で言ってくれないと、なんでそうしたいのか、ママはわからないのよ。ちゃんとお口で言ってね。それから、○○ちゃんがお友達のおうちに行って遊んでいたとき、いきなり壊されたらどんな気持ち?

友達の母:今はそれは○ちゃんのなんだから、壊すのはひどいよ。

母:お友達に貸したのに取り上げて壊すのはいけな いよ、悲しいよ。 (…でも息子はさらに形を壊そうとしたので、私は意地悪はいけないとお尻を叩いて叱りま した…)

子:(泣きながら)ママ、ずっと側にいてくれる? ←どうして、そんなことを聞くの?それより、壊さないでねと言っているのに、なんで壊すの?

母:ずっといるよ、さあブロック返そうね。

(息子:手を離さない) ←お友達に貸してあげられないなら、お友達のおうちにも遊びにいけないのよ。だって自分のおうちにきた時は自分のおもちゃを貸してあげたくない。でも、お友達のおうちに行ったら、お友達のおもちゃを貸して欲しいなんて、おかしいでしょ。それが分からない赤ちゃんはおうちで一人で遊んでいましょ。

友達の母:意地悪はいけないな 母:意地悪ばかりして渡せない玩具はお店に返そう かな。(強い口調で)

子:返さないで、ごめんなさい。(お友達に謝り)  玩具が少ないよ、もっと増やして。お外に行く(とわあわあ泣いた)

 
Q それじゃあ気分転換に散歩してから帰りましょう、と最寄りの無人駅に行くことにしました。暫くして駅の近所に住む同級生がやってきて、3人は遊び始めました。しばらくすると息子が泣きながら私にしがみついてきました。

家に遊びにきていたお友達に「この子と二人で、仕返しして叩いていたんだ」と言われました。私は子供達から少し離れて雑談していましたが、争うような声は聞こえませんでした。 家で息子に泣かされた事への仕返しなのでしょうか。お友達のお母さんには何も反応はありませんでした。

このようなトラブルが続くと親同士の関係が壊れていくのではないかと不安になります。 4月の3歳半検診で性器の触診をして以来、6月頃まではオチンチンを頻繁に出していて、その頃男女の体の違いを絵に書いたりしてました。「ママは向こうへいってて」とトイレや隅っこに隠れてお友達にも出すように言うのです。

7月になり、これはかなり少なくなってきているのですが、1対1で遊ぶ時は毎回お友達を泣かせて、トラブルが起きます。心配で目が離せません。 集団にいると息子の気になる行動は少ないのです。私はどう対応すれば良いのでしょうか。

また、近所に住む3歳4ヵ月の女の子とのトラブルも増えています。息子がこの女の子の妹さんを車から守って抱いていると、いじめていると勘違いして激しく叩いてきます。息子が滑り台を登っていると、上から降りてきた女の子は奇声をあげて叫びながら、私が助けに入るまで息子を落とそうと蹴り続けていました。

息子は反省し、もうしないと思ってくれた様子でした。息子が言葉で何か主張すると、内容が悪くなくても女の子が奇声をあげて叩いてくるというパターンになっています。息子がお友達と仲良く過ごしてくれる為に、私はどうしたら良いのでしょうか。よろしくお願い致します。

 A いろいろな問題が上記のご質問の中に隠れています。でも、すべてが互いに連動しているとも言えます。○○さんが心からなんとかしたいと思ってくださっているのなら、きっとご理解いただけると思って、お話しすることに致しました。

 まず、一番の問題は、大変厳しい言い方ですが、親子関係が築かれていないことだと言えます。お母様がお悩みの友達関係も、すべて親子のコミュニケーションがうまくとれていないことに起因しています。

 つまり、親子の関係作りの中の重要な位置を占める会話をせずに、言うことを聞いてくれないから体罰を加える、あるいは一方的に止めさせることでは、まずいということです。 逆に、何かいけないことをした時に親が本人の納得するようにきちんと説明する習慣をつけていくと、友達に対して何を言えば分かってもらえるかを分かる子になるということです。

 親子の会話の中でコミュニケーションの仕方を身につけていきますので、「〜しなさい」「〜しちゃダメ!」という言い方をする親の子どもは、自分の言われたとおりを友達に言うようになるのです。 初めての子育てで、どうしたらよいのか分からずにやってきてしまった事は悔いても仕方がありません。また、子育ては学習するものですから、知らないでやっていても責められるものでもありません。でも、ここで少し学習していただいて、今までと違う観点で子育てを見直し、努力なさってください。

 親子関係はすべての人間関係の基本です。お子様の友達関係も、お母様がまず我が子とうまくコミュニケーションがとれるようになれば良いということだけのことなのです。まずはコミュニケーションとはなんなのかをご理解ください。コミュニケーションとはキャッチボールのようなもので、互いが互いのとりやすいボールを投げる必要があります。

 つまり、親の考えを一方的に伝えればよいというものではないのです。我が子の行動を見て、我が子の心がどこにあるのか知ろうとすることが大切です。その上で、子どもの心を言葉で引き出すことです。そして、その行動がどのような意味を持つのか、考える時間を与えます。そして、理解してくれたら、今後どのような言動をとることがふさわしいのか話し合うことなのです。

 ここまでしないと、子どもは同じ事を何回でも繰り返してしまいます。逆に、このように説明されて育った子どもは考える力を身につけ、いちいち言わなくても、その場にふさわしい言動をしてくれるようになります。

 私がこのように書いてもイメージすることが難しいと思います。が、オムニパークでは、日々それが実践され、お母様方は子どもの成長を目の前で毎週のように実感することが出来ています。また、コミュニケーションを行なう時、スキルが必要になりますが、オムニパークに実際に通われているお母様方は、私がどのような口調で子どもに話しているのかを実際に見ることができるので、ご自分も真似をするそうです。

 ○○さんの場合、これができないので大変だと思いますが、気持ちの上だけでも、我が子の心に寄り添ってみてください。

 具体的に今回の事例では、お友達のお母様と○○さんは、お子さんに「壊そうとした言動」について追求しています。でも、この時、○○さんのお子さんは『帰るって言ったからみんなで片付けている。それなのに、遊びたいって言い出した。なんて勝手なやつなんだ。ママだって、お口ではいいよって言ったけどお片付けを続けている。やっぱり止めさせないと!』と、思ったのかもしれません。

  でも、そうではないのかもしれません。そのどちらであるかは本人でないと分からないのです。だからこそ、←の一言(赤字)が必要だったのです。

 最初のうちはうまく言えないと思いますが、たずねる機会を与えてあげないと、いつまでたっても上手に説明するようになっていきません。友達同士の中で誤解されても、うまく説明できなくなってしまいます。どうか、本人の意思がどこにあるのかをたずねるということを、今すぐに習慣付けるようにしてください。

 単に自分のものを貸したくない、あるいはお友達に貸してあげられないなら、←の続きを話してあげてください。「意地悪はいけない。」とか「お店に返そうかな。」という言葉は、子どもにとって何の意味もありません。

 相手の立場になったら、どんな気持ちになるのかという部分を常に頭において話してあげるようにすると、子どもは納得してくれます。

 それでもだめな場合は、最後のそれが分からない赤ちゃんはおうちで一人で遊んでいましょ。という言葉を言ってください。

 お母様が日ごろ「お店に返そうかな」と言っておきながら返さないということを学習している場合は『そんなことを言ったって、明日になればママは言ったことを忘れて、○○ちゃんのうちに連れて行ってくれるし、お友達もくるからだいじょうぶ』と思ってしまいます。

 つまり、親が自分の言動に責任を持っていないと、子どももその場その場で口先だけのごめんなさいを言ったり、言い逃れや嘘をつく子になっていくのです。

 自宅でのモノの貸し借りを子どもがする際、親同士の子育ての価値観の相違がはっきり現れます。相手のお母様は自分の子育てに自信を持っている為はっきりモノをいうタイプの方か、仲良しで互いの子どもを同じように成長させたいと思われている方か、我が子の味方をする方か、そのいずれかだと思います。

 どちらにしても、私から見ると、上手な言葉かけをしているとは言えません。万一、○○さんが相手の方を意識することによって、余計我が子を追い詰めてしまうのなら、しばらく距離を置くことも手だと思います。

 友達と仲良く遊ばせる前に、「ママ、ずっと側にいてくれる?」と云った言葉を言われないような叱り方を身につけましょう。この言葉は母親が自分のことを嫌いなのではないかと思った証拠で、体罰を受けたり脅されたと感じたときに子どもはこのような言葉を使います。

 言うことを聞かなければ体罰(お尻を叩く)を行なうという子育てをしていれば、我が子が友達に同じ事をするようになったとしても、お母様が我が子を責めるわけにはいきません。どうか体罰だけはやめてください。お子さんはお友達をつねるようですが、お母様がなさっているか友達にされた体験がないと、子どもは絶対にしないものです。  

 オチンチンに興味を持っているようですが、この事例に関して私はあまり詳しくありません。男女の体の相違に関心を持っているとしても、大人が異常に思うような関心があるとは思えません。それより、相手が自分の思ったとおりにしないと攻撃したり、ふてた顔をすることの方が問題なのではないでしょうか。  

 人間関係の距離のとり方を身につける大事な時期ですので、一日一日どう接するかで、半年一年後が違ってしまうのです。幼い子どもだと思わず、一人の人間として扱い、○○さんの価値観を言葉でしっかり伝えるようにしてください。