子育て Q & A
 Q  5児(男児)のお母様からのご相談

教えているときに、子どもが間違ってしまうとつい怒ってしまいます。どう接したらよいのでしょうか?

  怒ってしまわれるのは、『私がこんなに一生懸命教えているのに、なんでわからないの』という思いがあるからではないでしょうか。

 あるいは、『こんなに簡単な問題なのに…』と思われるからかもしれません。しかし、子どもにとっては、一つ一つのことが学習していくうえで、[理解するのに大変な事柄]なのだと思います。

 ですから、少しでも理解できたら「よく分かったわね」とか「すごい、間違えなくてできたの?!」というように、認めてあげながら教えることが大切です。そうすることで、本人の『もっとわかるようになりたい』『もっとできるようになりたい』という気持ちを育てることになり、怒ってしまうと『お母さんに教えてもらうことがイヤ』だと思う子になってしまうかもしれません。

 長い目で見ると、今、目の前のことが理解できても勉強嫌いなこどもにしてはなにもならないといえます。

それより、お母さんと一緒にお勉強することが楽しいと思える子にしたほうがよいのです。

それには、お子さんがわからないという表情をした時に、下記のどの部分なのか、「考えるお母さん」になってください。

 

子どもが間違える」と一口に言っても、いろいろな原因が考えられます。

〔子どもの側の問題として〕

 @お母様の説明がよく分からない。

 A  理解するレベルに達していない。

 B聞いていないので、分からない。

 C 具体物での経験が少ないのでイメージできない。

 Dよく理解しているので本来はできるはずなのだが、集中力に欠け、見間違い聞き間違いをしてしまう。

〔お母様の問題として〕

説明の方法がその子に適していない。

お母様の説明が子どもの分かるようなものになっていない。

 

いかがでしょうか。少しあげてみましたが、どれかあてはまりますでしょうか。

 大人は初歩的な算数の問題はよく理解していますし、暗記してしまっています。でも、そのままを子どもに覚えさせても、あくまで暗記していることなので、少し数が違ったり順番が違うだけで、子どもはとまどってしまうことが考えられます。

 例えば「5-3=」のとき、どうして答えが「2」になるのか、皆さんはどのようにお子さんに説明なさるでしょうか。

私でしたら、、一対一対応をさせることで、差の概念を育てます。

つまり、プリント上であれば、「ぞうさんが一個」「ありさんが1個」と言いながら線で結びます。それを対応できるだけ対応していき、対応できなくなった時にあまったものがあれば、「あまった数(残り)」が「差」になるのです。動かせるものであれば、一列ずつに縦に並べ、互いに両側から真ん中まで動かして、「1個と1個おんなじね」と言いながら対応させていくと、しっかりと理解できると思います。

これは大きな数になっても同じで、小学校に入ると最初に学ぶものなのです。

 なぜ「ぞう」と「あり」登場させたかお分かりでしょうか。

幼ければ幼いほど、子どもはみかけに騙されてしまいます。「ありさんの5個とぞうさんの3個では、ぞうさんの方が大きい」というように。

 これはあくまで例ですが、実際にそのようなことが起こる事は心理学上からも分かっています。この場合、日頃から「数えられるものは数える」という習慣をつけておくことが大切で、具体数をイメージした時に、ぞうさんでもありさんでも、同じサイコロ(おはじき)に置き換えられることが大事です。幼児の扱う数のほとんどは集合数としての数です。つまり、いくつかのものがあつまって「〇個」という数で表されるのです。

さて、「子ども」Aの場合、お子さんによって、どこでひっかかっているのかが違いますので、分かるところまで戻って確実に答えを導き出せるようにしていきましょう。

「子ども」Bは、「お母様方」の@と大きな関係があります。子どもに限らず大人も、耳から入ってきたほうがよく捉えられる場合と目からのほうがよく捉えられる場合があります。例えば、LDのお子さんの例をあげるとよくご理解いただけると思います。

先ほどの数の例のように、目からの刺激であればすぐに理解できるお子さんでも、言葉だけで説明された場合は、よく分からないといえます。

逆に耳からのほうがよいお子さんの場合、目の前にモノがあると、その細かな部分に目が行ってしまい、かえって1個は1個と捉えられない、ともいえます。

また、直感的に捉えるほうがまさっているお子さんと、頭の中で操作するほうが得意なお子さんがいます。

例えば順唱は前者で、逆唱は後者です。これらは脳の型のようなものですから、特性をうまく使っていくこと(得意なほうのやり方で)が急がば回れということになります。

さきほどのように、LDのお子さんの例をあげると、あるお子さんは漢字を一目で捉える事は得意なので、新しい漢字でも間違えることなくすぐに書くことができます。でも、書き順はまったくでたらめで、書き順を覚える事は至難の業ということになります。

逆に頭で操作することが得意なお子さんは一般的に、図形的なものを苦手なことが多いという傾向があり、形がとらえられないといった特徴がみられます。

ほかの項目についても一つ一つお答えしていきたいのですが、長くなってしまいます。とりあえず答えの一部をアップいたしました。参考になさって、「学ぶことの楽しさ」をお子さんに伝えていただければと存じます。