子育て Q & A |
通われているお母様からの御相談がありました。 |
母親:先生、最近子どもがお友達の悪口を言うんです。 教師:そうなんですか。 母親:悪口を言うのってよくないと思うんです。そんなことを言っちゃいけないとか、そんな風に言われたらいやでしょとか、家の中でならいいけど他所ではいけないとか。なんて言えばいいのかわからなくて…。 教師:他所では言ってはいけないなんていったら、陰で言う子になってしまいますよ。 悪口って、具体的にどんなことですか。 母親:幼稚園から帰ってくると、毎日のように「〇〇ちゃんがお友達にこんな悪いことをする」といったことです。 教師:そんな時は、「ふうん、そうなんだ」とか、「〇〇ちゃんはお友達にこんなことをするんだね」というように子どもの言葉を繰り返してあげるといいですよ。 母親:(どうしてそうなのかといった感じで聞いている) 教師:子どもなりにやっていいこと、悪いことを判断する時期(4歳児)です。幼稚園で起きたお友達の言動を見て、自分なりに「いけないこと」と判断できるようになったのですね。 本人はけっして悪口を言っているつもりはないと思いますよ。自分の判断が正しいのかどうなのか、お母様に伝えてその反応をみようとしているのだと思います。 母親:ああ、そうなんですね。 |
所見 以前、幼稚園内で起きたことについて、外部の人間である母親がいろいろ言うのはよくないことと、保護者にお伝えしてありました。そこで、このお母様は上記の会話で納得して帰られました。
でも、一般には、子どもが何か言ってきたら、それに対して、必ず、ご自分の意見を言わなくてはいけないと思っておいでだと、今更ながらに感じました。 今までは自分のことで精一杯だった子どもが、仲間の言動について、「いけないことだから自分はやらない。だけど、〇〇ちゃんはやっている。それっていいのか」と自問自答するようになったのです。 それは、成長・発達の現れ。喜んでいいことなのです。 発達のなかのどこに我が子がいるのか、分かることが大切ですね。それが分かっていれば、本人の心情を推察することも可能です。それがないと、単に一般論として「悪口はいけない」というところに着地してしまうのですね。 確かに悪口を言うことはよくないことですが、その自問自答が一番身近な母親に向けて発することができているのは「良好な親子関係の現われ」なのだということ。 少し、安心したできごとでした。 |