3、こんな子供を作りましょう

 皆さんは自分の子供をどのように育って欲しいとお考えですか?健康・素直・思いやり・明瞭・感性・リーダーシップ・集中力・優秀、そのキーワードはニュアンスは違っても大概この範疇に入るのではないでしょうか。そして今、ここに敢えて何か付け加えるとしたら何でしょう。

 

それは精神的なたくましさです。前回子供を木に例えましたが、せっかく良い枝振りに成長しても、環境変化や病虫害で枯れてしまっては何にもなりません。生きる力や免疫力が必要です。

今の子供達には物質の豊かさはあっても、心の充足感を感じさせる事はとても困難です。ただ生きるのではなく、もっと大きな生き方をコントロールする力が必要です。

ガンを宣告された患者が『自分は治る』とイメージトレーニングをして完治した例があります。ここまで極端ではなくても、自分の思いを良い方向に集中する力、つまりポジティブ思考を幼い頃から身につける事が、たくましさを身につける近道だと私は思います。

 

幼児はともすると失敗を恐れ、周りの子供の真似ばかりします。そんな時「お友達を見ないの!」と、母親がよく口にしますが、一方で「○ちゃんを見てご覧なさい」と比較するのも母親です。これでは子供は判断基準を失ってしまいます。

更に「だめ、こうしなさい」と、禁止や命令ばかりしていたら、親の目を常に気にする、物事を自分では判断できない子供を作ってしまいます。判断が出来なければ人生を前向きに捉える事も出来ません。つまり、「何となく」生きている人間を作ってしまうのです。

子供にポジティブ思考をさせたいのならば、とにかく子供を信じて「大丈夫、思った通りにやってご覧なさい」とやらせることです。万一失敗しても「どうしてこうなったのかしら」と一緒に原因を究明し、改善策を考えさせて次に繋げれば良いのです。

自分で分析し、一番適した良い方法を判断する。そしてそれを実行させ成功する喜びを味あわせる、この繰り返しで子供は自信を持ち、情緒の安定した人間になるのです。

 

我が子が失敗しない様にと先回りしてあれこれ指図をする事は、結局は子供の判断力を失わせます。そうではなく、子供の行動や判断を観察し、思考や行動が成長する過程を楽しみ、困っている時にだけ最低必要量のアドバイスを与える。こんな大らかさと信念を持つ事が、子育てそのものを楽しみ、趣味や喜びにまで昇華させる秘訣なのです。

 

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