読売新聞(5月30日付)

国語はすべての教科の基礎

東大教授 市川伸一氏

 学習指導要領というと、改定されたものが実施されたばかりのように感じる人が多いだろうが…各教科の専門部会がほぼ出そろい審議を開始している。

昔から、国語はすべての教科の基礎であると言われている。そのことは、国語の教師、さらには、他の教科の教師がどのぐらい認識して、実際の指導場面で生かそうとしているのだろうか。また、そのことは、子ども自身がどれくらい自覚し、学習に生かそうとしているのだろうか。

大人になってみると、国語力が仕事や学習の中で、中核的な役割を担っていることがよく わかる。少しでもフォーマルな場面でしっかり聞き、話し、読み、書くと、なれば日常生活を送っているだけの国語力ではとても足りないことを実感する。

子どもの生活の中で、そのような「実」の場と言えば、もっと身近なのは、まさに「すべての教科の学習」ということになろう。たとえば、数学で「用語の定義や具体例を通じて概念を理解したり、表現したりすること」、社会科で「資料を読み取って、その意味を考え発表すること」、「実験の手続きを理解して、観察結果をまとめること」など、枚挙にいとまがない。…

 

言葉の啓発(1歳児)、自己コントロール力・学習する上での素直さ(2歳児)、学習する姿勢(3歳児)、身近な事象と自然科学・考える力(4歳児)、表現力(5歳児)、というように、オムニパークでは段階を踏んで人間としての基礎力を身につけていきます。

5歳児になると「せんせいあのね」が始まり、子どもが何をどのように感じ捉えているのかが、文章を通して回りの大人にもはっきり見えてきます。

長くオムニパークに通われている保護者の方々は、これらに加え、〔何かを始めたら最後までやりとおす力〕や、〔本物を見抜き優先順位を考えて行動する〕といったことが身についてくることもお解りだと思います。

が、それらの基礎はしっかりとした親子関係に裏打ちされてこそだということ、そのためにはコミュニケーション(自分の思いをしっかり言葉で伝える)のスキルが必要だということも、実感なさっていると思います。

市川先生のおっしゃるように、生活の中で概念を理解し、表現するのは決して大変なことではありません。

叱るという行為の中で、叱る側であるお母様方が『どうしたら二度とこんな事をしなくなるのか』『何を伝えたらやらなくなるのか』を考えることが大切です。そして、一呼吸おいた後で、「○まるは◇◇するものでしょ。そんなことをしてよかったのかな。」と問いかけ考えさせることが大切です。

                               福岡 潤子