第63回保育学会

 

第63回保育学会が四国松山市で5月22・23日に行なわれました。今年度は始めてのポスター発表ということで、『皆さんがどんな質問をなさるのか、誰も質問をせずに通り過ぎてしまわれたら、どうしよう』などと、心配しながらむかえました。

多忙な日々のなか前後の予定も詰まっているので、新幹線というわけに行かず、大嫌いな飛行機の往復は、正直、精神的に疲れました。でも、友人が一緒に行ってくれたので、その点はずいぶん救われたと感じています。

せっかく初めての四国に行くのだからと、会場から通える範囲にあった道後温泉に宿をとりました。残念ながら夏目漱石がつかったであろう湯には入れませんでしたが、外から建物をながめることができました。本当に「千と千尋の神隠し」に出てくる建物のようで、近々建て替えられるとの話を聞き、立て替える前に見ることができてラッキーという感じでした。

土地勘が無く、市電と市バスの連結を間違えたり、まるで珍道中でしたが、保育学会のポスター発表そのものは大収穫でした。

90分のポスター発表の間に8人の方に名刺をいただきました。それも相手の方からくださったのです。いろいろな大学の教授・幼稚園関係者その他の方々で、質問もいろいろしてくださいました。

今回の発表は、母と子のオムニパークの卒園児のお母様方に昨年末にアンケートにお答え頂いた中から読み取れるものを考察しました。

ですから、何をきかれても答える事はできたのですが、反応が『ああ、結局、塾なのね』といったものを予想していたのですが、結果はまったく違ったものでした。

出発前に大学院のある教授から「感想を書いていただくようにするといいですよ」とのご助言をいただき、数枚用意いたしました。すると、ある幼稚園関係者(元園長)の方がその場ですぐ以下のようなことを書き、手渡ししてくださいました。

「親の子育て支援に関心がありましたので、よいお話を聞かせていただきました。地域のなかで、どのような取り組みが必要か考えることができます。ありがとうございました」。

ほかの方々からも、「保護者に有能感を与えるのは大事ですね」「新しい子育て支援の形だと思います」といったことをおっしゃっていただき、自分のしてきたことをご理解いただいたことに大変感激いたしました。

今まで何回も保育学会に参加してきましたが、ポスター発表の当事者になったおかげで、発表者の気持ちがわかり、自分が見て回る番になったとき積極的に質問をして回ることができました。その意味では、充実した学びの時間になったと感じています。

それにしても、『自分の行なってきた幼児教育について、学術的にどうなのかを知りたい、学びたい』と思って入った大学院、そこに在学しているうちに一つ大きなまとめをすることができ、「今年も発表しなさい」と昨年お声をかけてくださった塩先生に感謝です。

そして、お忙しい中、アンケートにお答えいただき、お心のこもったお手紙や今のお気持ちをお書きくださった卒園児の保護者の皆様、ご協力いただき、本当にありがとうございました。

あいかわらず、おいかけられるようにいろいろな仕事をこなしている毎日ですが、心の中は感謝の気持ちでいっぱいでございます。

今、在室している保護者の方々や子ども達は着実に発達の証を提供してくれています。本当に嬉しいことです。ある意味、自己実現させていただいている幸せを忘れずに、皆様にお返ししていきたいと思っております。

                               福岡 潤子