コミュニケーションがうまくとれない若者の存在が問題になっていますが、ある記事に解決のヒントがありました。 カナダで行われていた「ピア・メディケーション(大人の力をかりずに話し合いで解決する方法)」を日本の小学校で実践したところ、「仲間に話を聞いてもらえた」と尊重された気持ちが残り、子ども自身が考えて解決しようとするようになるとのこと。ピアは仲間、メディエーションは調停や仲裁という意味で、欧米では早くから採り入れられているそうです。 素敵な頼み方 @相手の名前を呼ぶ A 相手の都合を聞く B 頼みごとの内容を言う C 相手にお礼を言う 例「@サキちゃん、Aちょっといい?B消しゴム忘れちゃったの」 素敵な聞き方 @ 相手に体を向け、見る A 興味をもつ B 時々頷く 納得のいく断り方 @ 相手に謝る A 断る理由を言う B 提案する 例「@ごめんね。A今から私も使いたいんだ。B使い終わってから貸すね。ちょっと待ってね」 以上が新聞に載っていたものです。 いかがでしょうか。 この手法は図らずも、私がお母様方に言い続けてきたこと「相手(子ども)を一人の人間として尊重し、ご自分の言いたいことやもっていきたい結果にばかりもっていこうとせず、子どもの思いを尊重する言葉かけをなさってください」とまったく同じだったのです。 また、コミュニケーションはキャッチボールのようなものなので、ボール(言葉かけ)が相手の胸元に届くように「互いに、相手の方を見る」ことが大切だと言い続けてまいりましたが、「素敵な聞き方」の@にそのことがあげられています。 また、「納得のいく断り方B」を行うことで、問題解決法の一つを提案したことになり、それが将来、メタ記憶(このような状況のときはこの方略が一番適している)として、活かされるのです。だから日頃の親子の会話が重要になっていくのですね。 そして、人間は成長に従い、自分で判断しなければならない場面が増え、その時、一人でというより複数の人間をまきこむことが要求されます。 つまり、皆に納得してもらうことが余儀なくされるのです。これらのことから、コミュニケーションとは、自分のしたいことばかり主張するのではなく、相手を尊重し、いかに相手に自分の思いを伝えることができるか、なのではないかと考えます。 (文、福岡潤子)
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