博嗣君のページ
高木賞受賞!

                        

受賞にあたっての校内インタビュー(抜粋)     

 実は今年1月、『興風第35号』に本年度の高木賞受賞者上垣博嗣君の作品『豊かな国の貧しさと貧しい国の豊かさ』が掲載されるに先立ち、上垣君に思い切った話を聞いてみた。上垣君は注という異例の若さで高木賞を受賞したわけで、かなり驚いていることだろうと思っていたが、意外と落ち着いた様子で僕達のつたないインタビューに答えてくれた。

 受賞した時の気持ちを尋ねると『高木賞を受賞した時は驚き、今は受賞したことをとても嬉しく思います。受賞のことを家族に言っても「何言ってんの」と母は信じてくれなかったんです。どうあら母は僕が作品を書いていたのをあまり知らなかったみたいです。』と恥ずかしそうに語る上垣君。この作品のテーマについては小学生の時取り組んだことがあったが、その時はうまくいかなかったらしい。今回は『そのとき伝えられなかったテーマを上手くまとめることができました。』と受賞を喜んでいる。受賞して変わったことを聞いてみた所、『周囲に変わりは無いですが、自分は少しずつ本を読むのが好きになりました。』と語る。

 上垣君は小学校1年から4年までお父さんの仕事の関係で4年間タイで暮らしたことがあり、中学受験が終わった昨年2月に家族旅行で再びタイを訪れた。そのときのタイ・バンコクでの景色には、何か心に引っかかる物があったそうだ。それが何なのかを考えるうちにあることに気づいた。それは華やかな町並みとは対照的な貧しい人々の姿で、これがこの作品を再び書くきっかけとなったと上垣君は振り返る。作品では、カンボジアのアンコールワットでの出来事も書かれていて、よく東南アジアの国へ旅行するのかと尋ねると『旅行ではタイとか、その周辺の国へ行ったことがあります。寺院等の建物が好きで行くんです。』と語ってくれた。(1/23インタービュー実施)

 1歳から卒園まで通室した博嗣君。在室中に下のお子さんが生まれたり、一足先にお父様が赴任なさったりと、お母様は大変な思いをしながらもお続けになりました。

 博嗣君は幼い頃から『将来、考古学者になりたい。』と話していました。中学受験に際しては海外で過ごすことがある意味ハンディになったかもしれませんが、タイの文化や多くの遺産に触れられたことは結果的にとてもよかったと感じています。

 文を読み終えた私が「博君、中1の夏に書いた文章なんて信じられない。いろいろな事を感じただけではなく、こんな文章も書けるなんて」と、話したところ「だって、(幼稚園年長さんの時)泣きながら先生あのねを書いたものね」と微笑みながら博君の方を見たお母様と、それを照れくさそうに聞いている博君の関係がとてもすてきに輝いて見えました。

 受賞の知らせと共に制服姿の博君に会え、また、お二人の中に『本当に良い親子関係がここにはある』と実感し、教師冥利に尽きるという言葉を噛締められた幸せな一時でした。(福岡潤子)