15、ちょうど良い負荷のかけ方(測定・目標選定・実行)

体を鍛えようという時には、毎日淡々と同じメニューをこなすよりも少しずつメニューの分量を増やしていく方が効果的であること、逆に最初から大量のメニューを無理してこなすと体を壊してしまうことはよく知られています。

子育ても同じ、というより丁度良い負荷をかける事が子育てのコツなのです。お母さんは一つ出来ると、一気に最後までさせようとする事がよくありますが、それはしばしば子供のやる気を奪っています。

 

靴下を履いたり脱いだりする大人には簡単な作業の中にも、子供にとっては幾つかの壁があります。そこでその作業を何段階かに分け、何が子供にとって壁になっているのかを分析し、どうしたらそれを解決できるかを研究する必要があるのです。

靴下の脱着でいうと、あなたが行う際に無意識に手にする個所と順序があるはずです。そこを順序に従い子供に「ここをしっかり持ってね」と持たせて下さい。そして、一つ関門を抜ける毎に子供に「できた!」という思いをしっかり感じさせるのです。決して「ここまで出来たんだから後は一人でやりなさい」なんて言わないように。子供は一度にやる気を失ってしまいます。

それより「次はここまで独りで出来るようになろうね」と、目標を設定してあげましょう。きっと「がんばる!」という答えが返ってきます。

 

このように一歩先をやらせることが、ちょうど良い負荷をかける事に繋がります。何も無理矢理やりたくない事をさせなさい、と言っているのではありません。

ただ時には無理してでもやらせる事が必要な時も出てきます。例えば食わず嫌いという言葉がありますが、子供は特にそうです。そんな時私は「ほんの一口でいいから食べてご覧なさい」と、口に入れる事もあります。すると未知の食品でもおいしいものがあることに気付いた子は、少しずつ食わず嫌いを解消出来るのです。逆にいつも食わず嫌いを認めていたら偏食気味の子供を作ってしまいます。

また、虫を怖がる子を抱いて「ほら、良く見て。面白いねえ」等と言いながら、人差し指一本で触らせたりします。そこにいくまでは大騒ぎしますが、喉もの過ぎればなんとやらで、後は全く平気になったりします。

このように子供に丁度良い負荷をかけ、着実に色々なものを身につけていく事が、苦手をクリアする近道です。くれぐれも一歩一歩階段を上る要領で、という事をお忘れなく。

 

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