18、五感を育てよう

勉強や受験に限らず社会に生きていく以上、記憶する力が重要である事は言うまでもありません。最近ではその記憶を司る脳の研究の成果が目覚しく、記憶の仕組みも色々と分かってきました。

人間の脳には、一度に覚えられる言葉の数がある程度決まっています。ところがそれを何かと関連付けて覚えると、明らかにより多くを記憶でき、更に五感をフルに使った方が、記憶が深く、また五感は幼児期が絶対音感のように鍛えた効果が顕著であるという研究結果が出ています。

 

糸居重里さんの話に「コピーライターになりたい人は大勢いるけれど、五感を駆使し言葉でない言葉を感じ取れる事が大切で、大人になって努力すればなれる訳ではない」というものがありました。

五感を磨き、身近な現象に目を向けて多くに興味や関心・疑問を抱かせる。更にそれを素にもっと大きな世界について考えさせる。これを繰り返す事が幼児教育の核と言えます。

糸井さんの言う通り大人になってから五感を磨くのは難しくても、幼児なら簡単です。幼児は本能的に五感から入っていくからです。例えば赤ちゃんは何でも口にします。これは食べられる物か否かを識別していると言われますが、それだけでなく音のする物など聴覚を刺激する物も好むなど自ら五感を高めるのに熱心です。

そこでその傾向に合わせて第2の脳・見える脳と言われるほど脳の発達に大きな影響を持つ指先を刺激する紐通しなどを早い内にさせると大きな効果が得られるのです。

 

年齢をとるとそうであるように、子供もまた記憶した事をなかなか思い出せないものです。それは老人と異なり、一度頭の引き出しに入れたものを、引き出す訓練が出来ていない為に起こります。

多くのお母さんは子供に色々と記憶させようと努力しますが、記憶した時点で安心してしまいます。ところがそれだけでは短期記憶の域ですのですぐに忘れてしまうのです。繰り返し記憶した事を思い出させて始めて長期記憶となるのです。

そこでどこかに出かけたのならば、そこで見たものを言葉に置き換え、その時起きた事柄を関連付けます。そして帰る道々話題にし、帰ってからもしばしば話題に登場させます。この位しないと余程自分で興味を持った事以外は、子供はみんな忘れてしまうのです。

このように幼い内から五感を使った記憶をするように周りが意識してあげることにより、幼児は質の高い記憶術を身に付けることが出来るのです。

 

                       次へ