19、諦めるのを教えてしまう大人達

以前娘の学校の文化祭を見学した際に、バトン部の演技を見て大いに感動しました。中1ではまだ体の動きもぎこちないのですが、中2中3と進み、高校生になった途端動きの切れが全く異なり、テレビで見かけるプロの動きと比べても遜色を感じないのです。

その後練習風景を見かけましたが、それは本当に厳しいものでした。当初なぜあそこまで感動したのか私自身不思議でしたが、皆に披露できるレベルという目標を持って部員が力を合わせ、やり遂げたその成果に感動したのだと納得しました。

残念ながら娘は部活には所属しませんでしたが、書道だけはずば抜けた評価を得ています。それは小学生の頃から私と一緒に続けようと約束し、書道教室に通った結果です。

 

最近では二つ三つ習い事をしている子は珍しくありません。幼児の場合、身に付けたいので習うというよりも、親の意向や習っているお友達が楽しそうだから等の動機が殆どでしょう。多くの親は情操教育の為、体を丈夫にする為、あるいは将来役に立つからと、習う理由を挙げます。でも、本当にその目論見通りになるでしょうか。

習い事に練習や努力は付きものです。しかし、子供の多くは何らかの壁、それも些細な事に突き当たり途中で辞めてしまいます。

「バイオリンを習わせているけど、練習したがらない。嫌いになられると困るし、好きなようにやらせている」と言う方がいます。そういう人は子供が「嫌い」と言うと、すぐに辞めさせてしまいます。少しでもかじらせた事に満足し、嫌いならば仕方が無いと余り原因を突き詰める事も無く辞めさせてしまうのです。

しかし、それでは『嫌になったら辞めてもいいんだ』という意識を生み、何をやらせても長続きしないという事にもなりかねません。

 

継続は力なりという言葉がありますが、習い事も続ける事自体が大きな力となります。長く続いているという事は幾度も壁を乗り越え、それなりのレベルに辿り着いている事です。当然周りの評価で自信も付きますし、やり遂げる意志の力も備わります。

当たり前の事ですが、ピアノを習えば皆がピアニストになる訳ではありません。しかし、その間に培った力は、他の事にそれが向けられた時に大いに発揮する事が出来ます。

人生で成功する時に必要なのはそうした意志の力です。そうしたものを身に付けさせる為にも余程の事が無い限り、一度始めた習い事は継続させるべきなのです。

 

 

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