20、叱ると怒るの違い

ずばり言えば“怒るは、感情をぶつけるだけのもの”、“叱るは、何か言った事で教育的効果があるもの”を指します。叱っているつもりでも、実際は怒っているだけという事あなたはありませんか?それならしない方がましです。誰だって感情だけをぶつけられると反感は感じても、素直になろうとは思わないからです。

 

ではどうしたら叱る事が出来るでしょう。まず叱る時は子供に目線を合わせるため子供を立たせ、自分は座ります。中には別の用事の片手間で怒っている方がいますが、これでは子供が話を聞いているか疑問です。

例え聞いていても、相手を納得させなければ過ちを正す事は出来ません。そこでどう言えばこちらの思いが伝わるかを考えて『お母さんはこう思う。それをあなたにも分かって欲しい』と心から接しましょう。

また『ごめんなさい』を言わせようと焦らない事。これさえ言えば何とかなる思っている子がいますが、これは叱り方に問題があります。

一通り叱ったら“なぜ叱られたのか”を言わせて下さい。反省した顔をしていても何が悪かったのか的確に言えない事が多いものです。それではまた同じ過ちを繰り返します。子供が叱った内容をきちんと言えて初めて叱るという行為が完了するのです。

父の日参観の際にお父さん達に評判が良いのが、こうした話です。

 

一方、お母さん方に喜ばれるのが “叱って子供が泣いたり言う事を聞かない時には絶対に抱いてはいけない”という話です。

正確に言えば体の一部やスカートの端も駄目。教育研究家の中に「子供が泣いたら黙って抱き、泣き止んだらお話しましょう」と言う方がいますが、私は違うと思います。

母親の一部に触れていると、『お母さんは口では怒っているけど許してくれている』と思うからです。そうした場合、泣きながら必ず「だっこ」「ごめんなさい」と言いながら、後で同じ過ちを繰り返します。

叱る時は手で近づけない事。それで初めて子供は『このままでは受け入れてもらえない』と意識し耳を傾けるのです。

また幼い内ほど、「駄目でしょ、○○ちゃんは」という言い方を避け「このお手手が悪いのよね。お手手に、お友達を叩いちゃいけませんって、よく言いましょう」というように部分を叱るようにしましょう。自分と言う人格全てが叱られていると感じると逃げたくなる子もこういう叱り方なら素直に聞いてくれます。

さあ今日から怒らず、信念を持って叱りましょう。

 

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