29、いじめに遭わないために(人間としての尊厳・自分に自信を持たせる)

いじめを解消するのは容易でない事、そして多くの場合多大なダメージを受けるのはいじめる方よりいじめられる方である事を皆さん経験や報道を通じてご存知だと思います。そこで、前回とは逆にいじめを受ない為の自衛策について話を進めます。

 

長年幼児やその両親に接していて気付いた事があります。それは幸不幸の感じ方が一人ひとり違うという事です。同じ悩みを抱えていてもそれをいつまでも引きずってしまう人もいればさっと気持ちを切り替えられる人もいます。

本人の生き方に大きく影響するポジティブ思考が出来るか出来ないかの大きな要因の中に、幼児期の気持ちの切り替え方があるのではないか、と私は考えています。ポジティブ思考を身につけることは、人生を生きて行く上で知的な発達を身につけること以上に大切で、いわば生きる力を身につけるとも言えます。

 

人間は弱いものを見るともっといじめたくなると言う悪い習性を持っています。これは親子や夫婦の間でも同じことで、相手がダメージを負えば負うほど過激になると考えられます。その時防波堤となるのはいじめられる側の、自分に対する誇りではないでしょうか。幼い頃から一人の人間として意思を尊重され、自分に誇りを持ち、学習することで何か行なうときに必要な根気や集中力表現力などを身につける。この事の重要性を今ほど感じるときはありません。

 

 幼児期を過ぎたからと言ってあきらめることはありません。子供が変わるには、母親が変わるのが近道です。「今からでも遅くはありません。いくら頭で理解していても心で理解していなければ、幼児はすぐ見破ってしまいます。今が実行するその時なのです」と、申します。

単に学校の成績が良いことを目指すのではなく、出来る喜びを知らせ他人からも評価される喜びを体験させることです。まず第一歩として、好きなものを見つけ何かに向かって努力するように方向づけてあげましょう。これを読んだ皆さんが我が子に行なえば、僅かでも社会が変わり、自分のことが好きで人も信じる子が増えていきます。長い目に見ればいじめを無くす大きな力になります。

 

 

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