8、子供の努力に報いる(子供が手がけたものを上手に演出)

 

 前回「子供の作品は飾りましょう。」と提案しましたが、子供の見る目は日々進歩します。例え大人から評価を得ても自分で良くないと思えば納得しません。そんな時は一緒に遊んであげることです。

何も積み木やゲームをしましょうというのではありません。子供にとっては総てが遊びの対象です。大人から見れば学習に当たる事であっても、興味や関心が湧き楽しいと感じていれば遊びなのです。但し遊びも同じレベルの中ばかりで先に進めないと飽きてしまいます。自分で次のレベルまで進めれば理想的なのですが、幼児はまだその段階まで行っていません。そんな時は周りの大人が遊びのリーダーになってあげましょう。

 

ちぎり紙一つとっても最初は紙をちぎる楽しさで喜びますが、同じような大きさにちぎったり根気のいる作業にすぐに飽きてしまいます。そこで「頑張ればこんな素敵なものが出来るんだよ。」と素晴らしい作品を見せてあげましょう。すると単に折り紙をちぎって台紙に糊付けしただけのものがこんなに素敵になるのかと感動して頑張ります。そして同じようなものが出来れば、それを制作するのに“頑張った自分”と“素敵な作品を作った自分”に誇りを持ちます。

 

もし大人が一緒になって作ったのに、いかにも子供が作りましたという程度だったら「上手に出来たじゃない、頑張ったわね。」なんて言っても子供は二度とやりたいとは思いません。ですから、大人は頑張った子供の努力に見合うような見栄えの良い作品に仕上げる工夫をしましょう。そうすれば子供は自分の力に驚き、次の作品を作ろうとします。

そうは言っても「私はだめ、ずっと美術は苦手だったもの」なんて言う方もいるでしょう。でも心配いりません。なぜなら皆さんは情報化の時代に生きているからです。本屋さんや図書館には膨大な資料がありますし、それにも迷ったらこのインターネットなどを利用すれば良いのです。ちょっと声をかければ専門家や経験者がきっと良い情報を提供してくれるでしょう。そして最初の内は忠実にそれを真似てみましょう。だんだんコツを掴んだら、子供と相談しながらやってみると良いでしょう。

 

色々な制作方法があり、身近な材料で様々なものが作れる事が分かれば、何気ない身の回りにあるものでも見る目が変わります。つまりセンスが磨かれるのです。まずはお母さんがその努力をしてみましょう。

 

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