9、我慢ができる子

 

「我慢をさせましょう」というと、すぐに「かわいそう」「ノビノビさせたい」と反応する方がいます。しかし多くの場合そうして手綱を緩めることが後々お子さん、そしてお母さんをも「かわいそう」な状態にしてしまうのです。

我慢が出来ない子は興味の赴くままに行動するので集中力に欠け、なかなか一つの事を達成できません。親や教師から「何でできないの?」と問われても答えられません。結局「自分はできない」という悪い他己意識を持ってしまい、それが強いストレスになります。

「我慢=かわいそう」という意識が後にもっとかわいそうな結果を子供に残し、そうしたイライラをぶつけられて、元凶を作ったお母さんもかわいそうな状態になってしまい誰もが救われなくなってしまうのです。

 

 子育て相談が大流行ですが質問からして「なんか違っていませんか」と言いたくなります。例えば(うちの子は私の言う事を何も聞いてくれません。外に出かけた時ぐらいはおとなしくしてほしいのですが)という質問。

家の中でお母さんの言う事を聞かず好き勝手しているのに、外に出たら言う事を聞くなんて都合の良いことは不可能です。なぜなら、家の外は家の中より誘惑が沢山あるのですから。

日本の子供は我慢、つまり自分の心をコントロールする事が下手です。それは家の中で我慢をしなければならない場を与えられていないからです。

 

外国人の友人に『日本の子供は犬以下ね』と言われてショックを受けたことがあります。

NYでは5年間誰にも気づかれずに飼育できればマンションでも犬を飼えるというユニークな条例があるため、また欧州ではペット入店可のレストランに連れて行くために犬の愛好者は犬に我慢を徹底して覚えさせます。

一方で日本のレストランでの幼児はどうでしょう。当たり構わず泣き叫ぶ、テーブルの間を歩き回り食べたくなると母親の元に行き食べさせてもらう。母親の方も「行っちゃだめよ」口先だけで言うだけ。これでは外人が犬以下と見ても仕方ありません。

 

1、2食抜いても急に病気にはなりません。厳しくする事も時には愛情です。そうすれば食事中に遊びたいと思っても我慢するようになります。生命を維持する上で大切な食事そのものを楽しむような子にする事。こうした本質的な事をまず家庭で躾ることから徐々に我慢を身につけさせましょう。それが結果的にお母さんの、それ以上にお子さんの生活を楽しくするのです。

 

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